だらだら駄文

20代弱者男性の日記です。本とアニメが好きです。

「ある男」を読んだ

こんばんは。お疲れ様です。

今日は読み終えた本の感想をつらつらと書いていこう。

「不慮の事故で亡くなった夫の遺影を、夫の家族が見たら誰?と言われ、DNA鑑定でも全くの別人であると発覚する」というとても引き込まれる話から物語が始まる。といっても、内容はミステリーでなく、驚きの展開が続くわけでもなく、静かに人を形作るものは何なのか考えさせられる。

 

遺伝か、育った環境か、愛するものの存在か、公的な書類か。アイデンティティなんてものはコロコロ変わる。例えば、初めて入るバーで偽名を使い、嘘の職業、出鱈目な過去を話したところで、周りの人は何も不思議に思わない。自分ですらそうだったと思うようになり、嘘の言葉と自分自身が一体化していく。

でも、嘘によって救われることもあり、自分自身を良い方向に形作っていくこともある。小説だってフィクションだが、それで感動して涙を流すように。

他人を通して自分と向き合うってことが大事なんじゃないですかね。他者の傷の物語に、これこそ自分だ!って感動することでしか慰められない孤独がありますよ。

 

結局人はいろんなものに影響され、いかようにも変化して行く。この本を読めてよかった。心が柔らかくなれた気がする。